Never Ending Story

遠大な庶民の歴史

繭玉から糸を紡ぐように…



とある家系のはなし


神奈川県の真ん中の農村に古くからの農家があった
仮にG家と呼ぼう


江戸時代後期


G家の当主は四人の娘の嫁ぎ先を案じていた


先に上の二人が近郷の農家へ嫁ぎ
残る二人の娘


二人とも近所でも評判の働き者

とりわけ美人ではないがどこか憎めない
器量良し


三女はK子といい
四女はY子という


先にK子が嫁ぐ


嫁ぎ先は横浜の北部
鶴見川に程近い農家へ
仮にM家と呼ぶ


K子はよく働き
その土地にもすぐに馴染んだ


バイト先の
作り酒屋の店先での接客が上手く
店の売り上げも倍増


酒よりもK子を見に来る客もいたほどである


K子の評判を聞き付けた
M家に近いS家の当主
分家したての気鋭


偶然K子には、まだ嫁いでいない妹がいることを知る

息子の嫁にどうか…


S家当主は
人を介して妹Y子との縁談を進めた


K子も妹が近くにいた方が心強いだろうと
縁談に賛成


S家の分家したばかりの当主は息子の嫁として
Y子を手厚く迎え入れたのである


月日が経ち
時が流れ


G家から
嫁いだ二人の姉妹
年を経て再び結び付く



K子の孫と
Y子の息子が結婚することになる


ここでG家とM家とS家が結び付く


つまり
M家のK子は
私の祖母の祖母


S家のY子は
私の祖父の母となるのだ


しかしまだまだ物語は続く


K子Y子姉妹を出した
G家


数代経て
私の母の実父を輩出する

つまり
私の母の父は婿さんで
G家の生まれなのだ


父と母とは
G家とのつながりの中で結ばれた訳である



ここまで
読んでその関係を理解するのは難しいだろう


何本かの糸が紡がれて
一本になったわけだ

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さて今日は夜からG家へ年始の挨拶へ行った



巨大な仏壇の前に座り
私のルーツたちに想いを馳せ
手を合わせた